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すると、メガネ越しだったけど、牟田君の目つきが明らかに変わったのが分かった。
・・・当然とも言える反応だけど。
それでも、顔は口の端を軽く上げて微笑んでいた。
何故かあたしは、その笑顔と目つきのギャップに、ゾクゾクとしてしまった。
・・・整った顔って、何しても様になるんだな。
「ヤダな。突然何を言い出すかと思えば...。オレがホモ!?アハハ、全然違うし!」
「そうかな?いっつも中村さんにベッタリだったし。怪しいと思ったけど」
「あの人は、オレの指導してくれてたから。ただ、それだけだよ」
「ふーん。そう」
「その顔、全然信じてないよな?
...じゃあ、試してみる?」
ニヤッと笑った牟田君の言葉の意味が分からない程子供でもなければ、カマトトぶるつもりもないので、『遠慮しとく』と返事をした。
牟田君の隣で、女将さんも呆れていた。
「それは残念。遠藤さんみたいに可愛い人とならラッキーだと思ったのに...」
「だからぁ!キミはそんな事思う奴じゃないでしょ!?」
「ちゃんとそう思ってるよ。
....連れて歩いて恥ずかしくない程度には...ね?」
・・・憎たらしい程、最上級な笑みを浮かべた牟田君に平手打ちをお見舞いしてやろうかと思った。
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