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でも、さすがにそんな事までストレート言えないから・・・。
「でも、女将さん、すっごく綺麗だし!」と、男か女か迷った点を挙げてみた。
すると、何気なくテーブルの上に置いていた両手をガシッと強く握られた。
そんな事をしたのは女将さんだ。
「梓ちゃん!ありがとー!
修ちゃんなんて放っておいて、女同士で盛り上がりましょー!」
・・・女同士でいいのかな??
「アンタ、オカマだろ!何が『女同士』だ!
つーか、仕事しろ!赤霧、もう一杯!」
女将さんは、牟田君の注文を華麗にスルーして、あたしに色々と話し掛けてくれた。
あたしも途中で、この人仕事しなくていいのかな?と気になったけど、あたし達の他には3人組の客がひと組居るだけで、そこは内輪で盛り上がっていたので、女将さんの仕事自体は暇そうだった。
そんな調子だったせいか、それとも話し上手な女将さんのせいか、自分でも気づけば、初対面の女将さんにすっかり打ち解けていた。
女将さんは、カスミと言う名前で、あたしは早くも『女将さん』から『カスミさん』と呼び名を変えた。
でも、やっぱり此処でもカウンター席で【ぼっち】の牟田君が横槍を入れてきた。
・・・何気に寂しがりなのか?
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