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「...なぁ?聞いてんの?」
牟田君は若干苛立たしげにそう訊いてきた。
目はしっかり指先を追っていたけど、返事が疎かになっていたのか、話を聞いてない事がバレたようだった。
「...ごめん。ホクロ見てた」
「は?...変な女!」
あからさまに眉をひそめた牟田君の人差し指を指さした。
「...コレ。なんかイイね。ちっちゃくて可愛い!」
「...アンタ、ホクロに欲情すんのか?」
まるで全裸の変態でも見るかのような目つきで、ドン引きされているのが分かった。
慌てて否定したけど、疑いは晴れてない様子。
ホクロになんかムラムラしないって!
その指先には、・・・若干してるかもだけど。
あと、首のラインもいいな。
キレイに喉仏が出てて・・・。
男で喉仏が分からないような、肉付きの良い首は嫌だ。
・・・でも、コイツはないな。
「...なぁ?その物欲しそうな目、止めてくんない?
....もしかして、誘われてんの?」
「ち、違っ!」
「淋しいなら相手してやってもいいけど?
今日、ゴチになるし」
「間に合ってます!」
「間に合ってねーから、今日飲みに誘ったんだろ?な、淋しい遠藤さん?」
ほんと、あー言えばこー言うんだから!
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