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もおぉぉぉーっ!!
何なのよ?何なのよ!?あの男は!!
ヤらせろって何なのよ!!
あたしの事、何だと思ってんの!?
あからさま過ぎて、失礼にも程がある!!
閉めた扉の前で、怒りに震えていたら、ドンドンと扉を叩く音がした。
「おい!梓!開けろよ!おい!」
・・・近所迷惑でしょーが!!
「...どうぞお帰りくださーい」
少し大きな声でドア越しにそう言ってみた。
それでも繰り返される、チャイムとドアノック。
近所迷惑になりそうだけど、このまま無視を続けていたら、諦めて帰るだろうと思い、扉の前から離れた。
すると、キィッと音がして、変な所から牟田君の声がした。
「おい!梓!頼むって!開けてくれ!」
そんな切羽詰まった声が聞こえるのは、どうやらドアに備え付けの郵便受けからのようだった。
・・・大の大人が、しゃがみ込んで郵便受けのフタ開けて声張り上げてるなんて。
想像したら、可笑しいやら情けないやら・・・。
思わずプッと吹き出してしまった。
だけど、絶対開けないから!
開けたら最後、確実にヤられる!!
「おい!居るんだろ?とりあえず開けてくれ」
「...ヤダ。帰って」
とりあえずあたしも、扉の前にしゃがみ込んで返事だけはした。
「…頼むって。オレ、ビョーキかもしんねーんだ。...だから、開けてくれ!」
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