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・・・病気って何の?
嘘でしょ!?
だって源ちゃん、この前のは過労だって・・・。
もしかして嘘ついた?
そりゃあ、病名なんて赤の他人に打ち明けちゃいけないもんだけど・・・。
でも、源ちゃんは嘘つかないと思う!
「…嘘」
「嘘じゃねーよ。オレ、今すっげぇ悩んでんだぞ!
つーか、いいから開けろ!話すから開けろ!」
そこまで言われると、病気の事が気になって気になって、ちゃんと聞かなきゃいけないと思い、鍵とU字ロックを外して、ゆっくり扉を開けた。
牟田君はホッとしたようにため息をついて、玄関に入ってきた。
「....牟田君?病気って、な…キャッ!」
油断したあたしも悪かったんだろう。
話し掛けた途端、牟田君に両肩をぐっと掴まれ、直ぐ後ろの壁に追いやられた。
「…ちょ、牟田君!いきな....ンッ!」
牟田君、全然人の話を聞いてくれない。
話し終わる前にまた唇を塞がれた。
さっきの続きのような、のっけから激しいキスだった。
両方の大きな手で包み込まれた顔も、壁に追い込まれた身体も、ドキドキしっ放しの心も、あたしの全部が完全に逃げ場をなくした。
出来る事といえば、熱を感じる唇の奥から、遠慮なく割って入って来る舌の動きを追う事くらいだろうか。
・・・情けないかな。結局、拒む事なく受け入れてしまっている。
「....なぁ?……いいか?」
「....今頃、訊くの....ズルい」
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