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当初の目的の果たした牟田君は、何故かニヤニヤと不敵な笑みを浮かべた。
「よっしゃ!....オレはまだまだイケる!大丈夫だ!」
終いには、そう声を張り上げガッツポーズで喜ぶ始末。
「…何言ってんの?」
そんな様子を見せつけられては、情事の後の余韻に浸る間もなく、呆れるしかなかった。
「オレ、大丈夫だった!ビョーキじゃなかった!」
「....!!!」
そう言えば、すっかり忘れていた。
牟田君、病気だって言ってたのに、さっきの間に、すっかり頭の中から飛んで行ってしまってた!
「ほ、ほんとに病気じゃないの?自己判断はよくないよ?....てか、一体何の病気だったの?」
「…それは訊かないでくれ。オレの尊厳に関わる」
「はぁ?何言ってんの!?いきなりやって来て、病気なんてテキトーな事言って、あんな事までしたくせに!!
....あたし、あたし、ほんとに心配したのに」
「…わーったよ。....ごめん」
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