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「えー?そぉ?」
牟田君は親しげな口調で、軽く小首を傾げていた。
とぼけているようにも見えた。
「そうよ!また『今月もピンチだーっ!』って泣く羽目になるわよ?」
牟田君は女将さんの言葉に苦笑いしながら、『大丈夫』と言った。
「今日は、センパイの奢りだから!」
あたしを指さして、女将さんの方を見ながら勝ち誇った様な笑みを見せた。
「....呆れた!人の奢りだと思って。今日はもうお終い!」
「....売り上げに貢献してんのにさぁ、何それ?」
「貢献するなら、自分の稼ぎでしてよ!
センパイって言っても、こんな若いお嬢さんじゃないの....」
『ねぇ?』と女将さんは、あたしに同意を求めてきたけど、あたしはビミョーな反応しか出来なかった。
若い女の稼ぎなんて高が知れてると言われてるみたいだったから・・・。
まぁ、実際大した事はないけど、それでも新入社員の牟田君よりはマシだろう。
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