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余りにこのオカマが唐突に現れたせいなのかそれとも、単に俺が馬鹿なだけなのかはどうでもいいが、取り合えず理解した。
「随分と野太い声ですねぇ~。」
――ヤバぃ!! もう俺殺される!!
俺がそう思うのも無理はないだろう。だって超コワイもんこのオカマ。そして何さっきっから俺は挑発的な発言ばかりシテンだ!
「あら何? アタシに興味あるの? まぁ何にせよ、アンタはアタシには逆らえないだろうけど。」
――あぁぁ……ヤバィ、地雷踏んだわ俺。
そんな話は正直俺のなかではどうでもよくなってきていた。
何故なら、俺は一刻もはやくこの入学したての学舎(まなびや)から離脱し、家にかえって人気アイドルグループマメ娘(まめむすめ)略してマメっ娘(まめっこ)のその臨時選挙に投票しなければならなかった。
俺が支持する明野明星(あけのみほし)には此れからも活躍を期待して止まない。
なので、俺は一刻も早くこの場から立ち去りたかった。
しかし、目の前の大胸筋がピクピクと俺を阻む。いや、寧ろこれは虐めといってもいい。
そんな筋肉の壁(目の前のオカマ)が俺にこの後告げる言葉が俺の今までの計画を完全に握り潰したのは皆さんにも御理解頂きたい。
「コレから部活だ、付いてきな。」
――あぁぁ……もう無理だ、腕捕まれたし完全に後ろからホールドして俺を持ち上げて大胸筋ピクピクさせてるし。
「あっちょっ少しは俺の意見とかっ! ゴフっ! ……。」
俺の意識はここで言ったんと切れた。
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