部員活動記録抜粋①

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 っとまぁ、走馬灯を遡ること約五分。遂に俺が目覚めるときがやって来た。  寝覚めは最悪だった。  まず俺が目覚めてから最初に見たものは床だった。  なんと言うか、特別きれいとかでもないし言うほど汚かったわけでもなく強いて言えば何処にでもあるフローリングだった。  そんな話をしだすとこのあと丸々二ページ以上フローリングトークでつぶれそうなので割愛したい。  ドアはどうやら後ろにありそうだ。  四方の壁を見渡す。愛媛みかんと書かれた紙袋が二枚見える。そしてその愛媛みかんの袋はモゴモゴと何かを俺に訴えようとしている。  俺の右手後方に見えるその袋には何故か動体がある。  訂正しよう。  つまりはこの袋、人間が被っているようだ。いや、被らされているとも言えよう。明らかに袋は二枚とも苦しそうだったし、恐らく中の人は女子であると思われる制服姿をしていて……それを拘束するかのように二人のみかん袋は両手に後ろから手錠が嵌められている。  見た感じで胸も造りではないであろう感じもするし、まぁ誰が犯人かもおおよそ見当がついた。  理由は簡単。だってここのドアに表札かかってるし。あと、拉致事件とかの可能性も恐らく無いわけではないのだが取り合えず考えない事にする。怖いから。  そしてその表札には明朝体でこう書かれていた。  保健体育準備室と。
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