2人が本棚に入れています
本棚に追加
まず、あのオカマの話ではいまの俺の状況はこうである。
「取り合えず、アンタコレまでよく生きてこられたわねぇ。どう考えても普通なら死んでて当然な生き方選択してるわよ。
まぁでもそのお陰で助かる命もそこにあるのなら結果オーライかもだけど……。」
何やらとても不快な言葉の連発だった気もするが、取り合えず聞き返す。
「あの、俺って今回この部に入らされるのでしょうか? 出来ればすぐにでもここから離脱してマメ娘の選挙に投票しに行きたいのですが……。」
俺がそう言って返すと、オカマはとんでもない一言でこう言った。
「あそう、じゃっあんた死ぬわよ。」
一瞬の硬直。
時が長い……そんな風に感じさせるくらいの数秒間が俺の思考を遮る。
次の瞬間、俺はこう言った。
「理由はなんでしょう? やっぱ事故死ッスか? いや、今回は殺害のケースもありうるか? いやいや水害とか火事とか爆破テロとか……。」
現状での俺の思考はこう考えていた。
産まれてこのかた不幸不幸の連続であった俺はそれはもう人生の最後もある程度は覚悟して新聞を読む朝を何度も迎えていた。
偶然なんて所詮は結果オーライなんて都合よく解決できないことも俺には解っていた。
つまりは、こんな占いは慣れっこだったのだ。
いい結果がでても悪い事の連続だった姓もありニュースの占いはパチだと感じ始めたのは小1の時だった。
何にせよ、この状況で死ぬのは御免である。
このオカマに目とられて一生終えるのも御免だ。
なので、今回の不幸への回避行動はコレである。
「因みにぃぃ、目の前の愛媛みかんと書かれた紙袋を被った女子と思われる二人の人物について説明願いたいのですがぁぁ。」
――うん、他人に振っとけばまず自分からあのオカマの目をそらせるよね。
オカマの反応は……。
「それはつまり本題に入れと云いたいわけね。
少しは前ふりで内容は解ってきたでしょうし……取り合えずアンタには選択の余地があるわ。
アンタ、どっちの娘を選ぶ?」
俺は確信する。
――あぁぁぁ、自分に戻ってきたよぅ、もう気をそらすとか無理だぁ。
最初のコメントを投稿しよう!