困難を極める就職活動

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「資格の欄を見てみろ」 郷田にそう言われて、資格の欄に目を落とすと、普通免許要取得、ホームヘルパー二級要取得と記されていた。 「………」 思わず言葉を失う晋也。落胆する隙(ひま)も与えずに、郷田は晋也に向かい喋り始めた。 「お前が魔力者共との戦いに現(うつつ)を抜かしている間にも、みんなは就職試験に向けて、資格取得や勉強に明け暮れていたんだ。福祉の仕事を受けられないのは、それを怠っていたお前が全部悪い」 「いやいやいや。おかしくありません。それ?」 郷田に言われたことに対し、あまりに理不尽だと考えた晋也は、流石に言い返した。郷田の言うことを否定し、自分の考える正論を郷田に向かい話し始める。 「魔力者同士の抗争だって、元はと言えば郷田先生達が巻き込んだことじゃないですか。俺だって、普通にしていたら、資格も取ってたし就職に向けて真面目に勉強してましたよ」 これまでにない超高速のまばたきをする晋也は、端から見なくても明らかに憤慨していることが理解できた。 晋也は、更に郷田に抗議すべく、机に散りばめてある求人票の一枚に指を当てると、大声で叫び始めた。 「大体なんですか、この『コンビニのアルバイト』って! これ、高校生でも学校から許可貰えばできますよね?わざわざ、求人票貰わなくても、随時受け付けてますよね?ていうか、これ学校に来た正規の求人票じゃなくて、ドラッグストアとかに置いてある無料求人案内の切り取りですよね?」 晋也は、自分で叫んで自分で悲しくなってきた。何が悲しくて、コンビニのアルバイトを永遠の就職先にしなくてはならないのか。 郷田の自分に対する評価のあまりの低さに、晋也は絶望した。 しかし、逆に言えば、ここはアピールポイントでもある。 晋也が今こそやる気を出せば、郷田の見る目も変わり、絶望と言う名の闇から這い上がれるかもしれない。 「郷田先生ぇえぇーッッ!!」 力強く振り向いた晋也に、郷田は相変わらず気怠そうに視線を向けた。 「俺ッッ…ー…」 「お前はとりあえずコンビニのバイトを受けろ。間違えなく受かるから」 「俺の話をー…」 「実は、あと二つは既に書類選考でお前は落とされてたんだ」 「ぶざけんじゃねぇえぇえッッ!!」
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