第二章 絶望の分岐点

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「なんだ、これは?」 「遊戯進行が一目で分かる『モニター』だよっ。それさえあればライバルの進行状況だって丸わかり! 残り一五日と三日に情報公開の制限が解除されるからねぇ」 「そうかい。で、だ。 結局『女神遊戯』ってのは何を競うもんなんだ?」 「五人はそれぞれ異能と悲劇を背負ってます。なら、ゲーム内容もそれに関連……は特にしないかっ」 ヘラヘラニヤニヤと小馬鹿にしたように笑い、女の子は両手を広げ、告げる。 「悲恋の解決。その数が『ゲーム終了時に一番多い参加者』が優勝だぜ☆」 率直に言って。 からかっているのかと思ったが、この女神の悪質さはこれからだった。 「悲恋の定義は互いに好きなんだけど結ばれない『理由』がある場合。その『理由』を解決して結ばれれば一組獲得。まぁ『女神遊戯』中はあらゆる犯罪行為のせいで警察に捕まることはないから『誰かが救ったカップル殺せば相手を蹴落とせる』かもねぇ」 「な、ん……!?」 「ま、そんなことより他の参加者殺すのが手っ取り早いから心配いらないって。あ、その危険性理解した上で参加する? しない?」 「…………ッ!!」 即答、できなかった。 先程とは状況が違う。 でも。 それでも。 (くそったれ。くそったれが!! なんだよ、こんな、ちくしょう!! こっちはレイチーネを救うことで精一杯だってのに、クソッ。) 「趣味悪りぃぞクソガキ!!」 「えーそんなことないよー。だってさ、願い事をなんだって叶えてやるんだぜ? 人生最大の博打なんだぜ? そりゃデメリットだらけに決まってるじゃん。これだからゆとりは」 やれやれ、と首を横に振り。 女の子は簡単な質問を口にする。 「で。どうするの?」 『女神遊戯』は最後のチャンスだ。 これに参加すれば他の参加者に命を狙われる上に下手すれば夕霧が助けたカップルが殺される危険性がある。 だから、自分が『女神遊戯』参加者だとバレた時は、ソイツを殺すしかない。 人殺しの罪を『背負う』覚悟があるのか? 自分と同じく『何か』を救うために戦う参加者を踏み台にできるのか?
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