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「うぜぇ。どうでもいいからさっさと始めろ、くそったれ」
「はいはい。あ、今何時?」
夕霧は腕時計を取り出し、時刻を確認する。そこには六時と示されていた。
「六時だな。一八時っつったほうがいいか?」
「へぇ。じゃあ一ヶ月後にまた会おうか。…………優勝者としてまた会えたらいいね。『敗者は罰として殺しちゃうし』」
ぱんっ!! とタイマーが起動した。
ちゃっかりと重要なことをほざく女の子を見据え、夕霧緋色は率直に思ったことを言ってみた。
「なぁ、クソガキ」
「ん~?」
「『女神遊戯』は始まったんだろ」
「だねぇ」
「それ、他の参加者知ってるわけ?」
「…………、あ!」
女の子はぴくっと身を震わせ、
「えっと、よし! とりあえず分身しとこっ。女神ちゃん頑張るぞー!!」
そう言って女の子は消えた。
女神(?)だか何だか知らないが、随分とツメが甘い気がする。
(ルールは残酷だがどことなく緩いっつーかなんつーか…………)
負けたら殺されるらしいが、そこは気にならなかった。めんどくさかった。
勝てばいい。
負ければ『友達』が死ぬのなら、自分が死ぬなんてことはどうでもいい。
ただ。
(やっぱ死にたくはねえなあ)
勝つしかない。
『何をやってでも』。
(ははっ。歪んできたなあ、オイ)
いつの間にか『すべてが元通りになっていた』 病室で、夕霧緋色は乾いた笑みを浮かべていた。
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