緑色

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ーーーーーーー話としてはシンプルな話だった。  廃屋に肝試しに行こう、そういう経緯で始まった話がエスカレートしただけの事。  どこにでもよくある話だった。噂や怪談話何て何処にでも有る。  だからこそ誰も警戒なんてしていなかった。ただ夏の一つの思い出づくりに過ぎないはずだった。 「じゃあみんな集まった?」  そこには、男三人と女三人の六人グループは車を降りると、各々伸びをしながら自分の道具をおろした。  それが終わって、全員体育座りの中、一人の髪の短い女性は司会者の如く振る舞いながら、今回の話の趣旨を再び話し出した。 「ではこの先の、旧病院の廃屋で三日間過ごそうぜツアーはじめマース」  ちなみに、これはカップルでも友達同士ではなく、ただネットで知り合っただけの赤の他人同士である。
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