45人が本棚に入れています
本棚に追加
まだ日は高い。と言っても夕方に差し掛かっていた為、夕飯の準備が必要である。
「何で女だけ料理って決まってんの?おかしくない?」
長い髪の女性は、怒りをあらわにすると”トンッ”と包丁をまな板に突き刺した。
「私はこんな所にまで来て料理なんて作りたくない」
そう言い、そのままドカリと古びたバスのベンチに座り込む。ちなみに此処は病院のロータリーだったりする。
人目が有ればおかしな光景だが、実はここは人里離れて居る為、普段車もあまり通らない場所にだ。
テントを張る場所は無く、仕方なく野営のような状態で炊き出しを作っていた。
「良いわよね、学生はこんなのでも楽しそうで」
実際、ウンザリしている者も何人かはいたが、個々で来た為に文句を言う者は誰一人いなかった。
最初のコメントを投稿しよう!