球根

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 その男は、猫背である。  身寄りはなく、気が付けばいつも一人。  しかし、その容姿から誰一人として心配などしなかった。  常に不気味に笑い。  常に異臭と、酸を吐き続けていた。  引きずる様にして、左足を庇い。  腕はだらりと地面を指しながら、猿のように歩く姿は人には見えなかった。
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