45人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
「またきやがったな!向こうへ行け!あー臭い」
問屋らしき男は、”シッシッ”と手で払う動作をすると、恨めしそうに男は睨みながら再び歩き始めた。
日は高く。大通りであった為。人は避けて通るが常であったが。
「アイタッ!!」
一人の浪人に、肩をぶつけた。男はいつも通り、何事も無かったかのように通り過ぎようとした。しかし。
「無礼者っ!そこに直れっ!」
流れ者だったのだろう。男の素性を知ってか知らずか、誰しもが避けて通る男に声をかけてしまった。
「あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”?だじがようがぁ?」
剥いた眼をギロリと浪人に向けると、ゆっくりとした動作でそちらへ向き直った。
最初のコメントを投稿しよう!