球根

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「またきやがったな!向こうへ行け!あー臭い」  問屋らしき男は、”シッシッ”と手で払う動作をすると、恨めしそうに男は睨みながら再び歩き始めた。  日は高く。大通りであった為。人は避けて通るが常であったが。 「アイタッ!!」  一人の浪人に、肩をぶつけた。男はいつも通り、何事も無かったかのように通り過ぎようとした。しかし。 「無礼者っ!そこに直れっ!」  流れ者だったのだろう。男の素性を知ってか知らずか、誰しもが避けて通る男に声をかけてしまった。 「あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”?だじがようがぁ?」  剥いた眼をギロリと浪人に向けると、ゆっくりとした動作でそちらへ向き直った。
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