プロローグ

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行き交う人々 スピードを上げて横切っていく車 照りつける太陽 揺らめく陽炎…… 排気ガスに犯されるこの街は余計な物で溢れかえっている。 「余計な物で……」 そう呟いた瞬間、辺りが一気にざわめいた。私はざわめきの原因を探す。どうやらざわめきの原因はテレビ画面のようだ。 (何かあったの……?) テレビ画面の中ではアナウンサーが忙しく、今届いた速報を読み上げていた。 「只今入ってきたニュースです。○○県○○市で市民全員が殺されるという事件がありました。○○県○○市で市民全員が殺されるという事件がありました。」 「犯人は未だ見つかっておらず、逃走しているものと思われます。また、今回は住民全員が殺害されたため、情報が少なく、捜査が難航する模様です。○○県警は皆様からの情報提供を求めています。小さ……」 さて、この事件の犯人はやがて日本中を恐怖に陥れる偉大な殺人鬼になるのだが、今は誰一人としてその事を知らなかった。 毎日どこかで誰かが殺されていく、そんな未来が訪れることも──
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