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お久しぶり。
僕はラモー。
もう一方の展開は、空路どころかカウンセリングまでも割愛し、レオと僕がワイキキ臨浜アーケードを歩いているシーンで再開する。
ゴメン、表現に嘘が有った。
レーンが動いているだけで、レオは歩いていない。
僕に至っては定位置(リュック)に収まり、歩く気など毛頭無い。
歩かないレオの上で、更に歩かない徹底ぶり。
頭毛の無い頭を垂れて謝るよ。
さて、謝罪が済んだら次は言い訳だ。
この順番はとても重要で、取り違えると著しく心象が悪いから気をつけて。
謝罪を枕詞にしておけば、大概の言い訳は通ってしまう。と、言うのが僕の持論かな。
《ラモー流処世術》
他所で使っても良いよ。
それはともかく、僕はサボって進行を疎かにしたのではない。
東京の空港から今まで、ずっと主動力をオフにしていた。
AIを起動したまま国境を越えた場合、出入国検査に恐ろしく時間を取られる事になる。
AIが国家機密漏洩に使われた事例は多いから、特別な申請をしない限り封印されるのは止むを得ないことだ。
特に今回は、続くカウンセリングにも僕を持ち込めないので、航空会社の預かり期間を延長してもらっていた。
そういう、已むに已まれぬ事情があって、レオが宿泊先に向かう夕刻までの出来事は省かれたわけだ。
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