苦図

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食料も底をつきかけ、一週間ぶりに家を出た。 太陽が苦手な僕は、家を出る時は大抵夜になってからだ。 頭まですっぽりフードを被り、人目を避けるように24時間開いているスーパーに向う。 酔っぱらって歩いているサラリーマン。 人目も気にせずイチャつくカップル。 犬の散歩をしているじいさん。 ジョギングしているおばさん。 どいつもこいつも、 『死ね…死ね…死ね…死ね…』 「やっぱり僕は歪んでるな。人間全てが汚く見える。」 独り言をブツブツ言っているうちにスーパーについた。
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