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エルが少し悩んだ顔になりながら考えていると、何か思い付いたのか俺の顔色を伺っている。
『思い付いたんだろ、言ってみろ』
そう言うと少し自信が無いのか小さい声で言った。
「『クロト』なんてどうかな?」
俺の反応を待っているのかチラチラと俺を見てくる。
『良いんじゃないか』
そう書かれたメモ帳をエルが見ると満面の笑みになった。相当嬉しかったみたいだな。
「クロト!これからよろしくね!」
その笑顔見ていると弟を思い出す。だからといって、やめろとは言わないただ、この笑顔奪う様な輩は俺が殺してやる。
「クロト聞いてる?ちょっと馴れ馴れしかったかな?」
エルが不安にしていたので『少し考え事をしていた』と書いてやると笑顔に戻った。
だが、その時だ。突如として警報が鳴り響く。
『侵入者が現れました』
エルの目の前の空間に光が集まりモニターとなる。するとそこには10人以上の男達が映し出される。
『身なりからして山賊だな』
そう書くとケイが扉に向かって歩いて行く。まぁ、アイツならあの程度瞬殺できるはずだが俺が行こう。自分のlevel上げになる。
『俺に行かせてくれ』
扉に手を掛けていたケイを右手で引き止めメモ帳を見せるとエルが「ケイに任せとけば大丈夫だよ」と、言って俺の腕を掴む。
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