*◇*おんな*◇*

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 その声には聞き覚えがある。  細川先生?  ちょっと自信がなかった私は、そっと覗いてみた。  すると、そこには細川先生と同じクラスでギャルの桜井 麗、がたっている。 「なにが、大変なんだ?」  細川先生が、桜井さんに聞いていた。 「あっごめんなさい。あれは嘘なんです~」  桜井さんはニコっと笑った。 「おいおい、先生は忙しいんだぞ」  そう言って屋上を出て行こうとしていた、その時、 「あのぅ実は私。先生の事が好きなの」  といきなりの告白。  えぇぇぇえ!!  私はビックリで、いけないものを見ちゃった……と、後悔しながらも、このあと先生が何を言うのか気になり聞き耳を立てていた。 「先生を、からかうもんじゃない」 「本気です」  やっぱり聞いちゃダメ……そう思っても、聞きたいという願望にまけてしまう。  なんて、悪趣味……。 「桜井、桜井の気持ちは嬉しいが、ごめんなぁ」  断る先生、なんだか軽い言い方。  もっと、ちゃんと理由言えばいいのに。 そう私はこっそり覗きながら思っていた。
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