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*◆*夏*◆* #2
車から降りると、波の音が大きく聞こえた。
夜の海って、案外怖い、なんだか、のみ込まれてしまいそう。
でも、辺りが暗いからか星がとてもキレイだった。
先生は、タバコに火をつけた。
タバコ吸うんだね……知らなかった。
またその姿も、かっこよくて心臓がドキドキなる。
整った顔に、キレイな目、案外長い睫毛に、筋の通った鼻。見とれてしまい、近くに居たら心臓の音が聞こえてしまいそうで、少し離れるために、私は歩きだした。
暗い中1人で。
すると、いきなり猫が横切り。
「ひゃぁー」
驚いて、そのまま転倒、手をすりむいてしまった。
「大丈夫かぁ?」
そんな私に先生が近寄ってきた、そしてひと言。
「ドジだな」
と笑った。
私は手がヒリヒリするし、恥ずかしくもあり、すぐ車に戻った。
ドジじゃないもん。
ちょっと、車の中ですねていると、先生がタバコを吸い終わり、戻ってきた。
「怪我はしてないか?」
車内が少し明るくなる、先生が車内灯をつけた。
明かりで顔がまともに見えて、心臓がまた大きく音をたてた。
私は、擦りむいた手を見てみた。縦に何本か線が入り、血が出ている。今までそんなに痛みを感じなかったのに、傷をみたら、ヒリヒリズキズキしだした。
「どれっ!」
いきなり、私の手をとる先生。
えっ!?
私は心臓は今にも爆発しそうに激しく音を立てた。
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