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目を開いて光りのある方を見ると、ドラッグストアの前だった。先生は薬を買いに行ってくれたみたいで……。
車の中、香水の香りが落ち着く。
私、明日バイトいけるかなぁ? なんか無理っぽい。あとで店長に電話しよう。
なんて考えていた。すると、先生が戻ってきた。
「今日は誰も家にいないんだよな?」
と聞いてくる。私は、コクリとうなずく。もう喋るのもキツかった。
「うちにくるか?」
と先生の声。
えっ?
「1人じゃ大変だろ」
「でも……」
いいのかな……? 嬉しいけど……。
「まさか先生が何かするとでも思ってるのか?」
そんな事じゃなく、私は先生の家に行って、もし誰かに見つかったりしたら……大丈夫なのかと心配だった。
きっとヤバい事になるよね……。
「そんな事じゃなくて……」
また咳がでた。
「もしかして、心配してくれてるのか?」
私は素直にコクリとうなずく。
「大丈夫だよ心配するな」
そう言って、先生は車をだした。なんかもう本当にダルかった。
横になりたい……。
頭はぼーっとしてダルいのに、先生の家にいけることが嬉しかった。
でも先生の家まではよく覚えてない。
「木下、着いたぞ」
多分眠ってたんだろう。
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