*◇*距離*◇* #2

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『亜紀はどうするんだ』 『貴方が、育ててちょうだい』 『お前は母親だぞ』  両親の言い争い、その後、父さんは母さんの頬を叩いた。  部屋に響く、バチンという音。  その後、場面が変わり。 『亜紀……ごめんな』  部屋で1人、家族写真をみて、泣いている父さんの姿が見えた。  そして、 『亜紀おいで』  と母さんが私を呼んでいる。すると、場面がガラリと変わり、目の前には母さんの姿……。  でも、歩いても歩いても近付かない。近付かないどころか、母さんは遠くなっていくばかり。  追いかけても。届かない……。 『待ってよ……待って』  走っても走っても、追いつけない。 『まっ……て』  息も切れて苦しくて、私は手を思いっきり伸ばした。 ―――――――― ―――― のした……」 「きのした」 「木下」  先生の声が聞こえて、私は目を覚ました。まだ体がだるくて……熱かった。 「大丈夫かぁそんなにきついか? お前うなされてたぞ病院いくか?」  先生は私の顔を覗いてくる。  いつの間にか、氷嚢がオデコにのせられていた。  私、先生の家でねてたんだぁ。 「大丈夫です。ゴホッ」  私は上半身を起こした。 「はい、これ飲んで」  先生は私にコーンスープの入ったカップを渡してくれた。  でも、あまり食欲がない……。  カップを受け取り、一応今飲める分だけ飲んでおいた。たったの3口。 「お前薬も飲まずに眠っちゃうんだもんなぁ」  そういえば飲むのを忘れていた…‥。  先生は、カップを口に運ばない私を見て、 「食欲ないのか? 薬のんでみ」  と、薬をわたしてきた。私は頷き水で流し込む。
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