*◇*距離*◇* #2

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「いやぁぁああっ!!」  私の声に驚いている先生。 「取って取って」  一人でジタバタ、見なくても虫がいるんだって分かる。 「ちょっと、だまっとけ」  と言われても、虫嫌いの私は黙っていられない。  先生は、私の肩に手をおいて、さっと取ってくれた。 「ありがとうございます」  それで私は、やっと落ち着いた。先生は笑っている。  そして前にどんどん進んで行った。  すると建物が見えてきた……かなり古くガラスは割れていて、怖い。 「木下、こういうの苦手じゃなかったっけ??」 「苦手です……」  私は、辺りをキョロキョロ見回しながら答えた。  ちょっとの物音でもビクつく私……。 「怖いか?」  と聞いてくる先生の持っている懐中電灯に、虫が2、3匹くるくる付いてきた。 「まぁ……」  私は先生と話してるどころじゃなかった。  もう頭の中は恐怖でいっぱいで。  あっちから何かが来たらどうしよう。とか色々な妄想が膨らんでいた。  そして、建物の中に入る。  人がいたらどうしよう……。  そう思ってる時、私の横を誰かが通った。 「キャー!!」
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