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「いやぁぁああっ!!」
私の声に驚いている先生。
「取って取って」
一人でジタバタ、見なくても虫がいるんだって分かる。
「ちょっと、だまっとけ」
と言われても、虫嫌いの私は黙っていられない。
先生は、私の肩に手をおいて、さっと取ってくれた。
「ありがとうございます」
それで私は、やっと落ち着いた。先生は笑っている。
そして前にどんどん進んで行った。
すると建物が見えてきた……かなり古くガラスは割れていて、怖い。
「木下、こういうの苦手じゃなかったっけ??」
「苦手です……」
私は、辺りをキョロキョロ見回しながら答えた。
ちょっとの物音でもビクつく私……。
「怖いか?」
と聞いてくる先生の持っている懐中電灯に、虫が2、3匹くるくる付いてきた。
「まぁ……」
私は先生と話してるどころじゃなかった。
もう頭の中は恐怖でいっぱいで。
あっちから何かが来たらどうしよう。とか色々な妄想が膨らんでいた。
そして、建物の中に入る。
人がいたらどうしよう……。
そう思ってる時、私の横を誰かが通った。
「キャー!!」
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