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思わず先生の背中にひっついてしまう。
「なに?」
先生が言ってきたから、私は指をさす。
やばいやばいやばい。
すると、
「大丈夫。鏡だよ鏡」
と先生の声、その言葉に、私は自分が指差した方を良く見ると、本当に鏡があって……。
私は恥ずかしくて、先生からさっと離れた。
「だってぇ……」
半べそ状態な私。それを見て、
「木下は、面白すぎ」
と先生は笑っていた。
「まず1階で写真だから……まぁここでいいか」
先生がカメラを自分にむけ。
「ほら入って」
と私の手をつかんで引っ張った。なんだか、ドキドキする。
カシャっという音ともに光るフラッシュ。
どんな風に撮れてるんだろう……。
初めての2ショットがこんな所って、少しというか、かなり嫌だった。
そして2階に上がる。
先生は、階段を登りはじめた。
階段もボロボロで穴があいている所もあった。
「危ないから、気を付けて」
先生の何気ない優しさが、嬉しいけど……。今は嬉しさより恐怖の方が大きくて。
私は先生が、ちょっと早かったから、洋服の裾を掴んだんだ。
先生は何もいわない……。
いいよね……ちょっとくらい……。
2階で写真を撮って、すぐ外にでたけど、明かりがないため恐怖がまだ続いていた。
懐中電灯だけじゃ、やっぱり明るくない。
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