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先生は、黙って歩いていた。
宗一さんたちが見えた所で、私は先生の洋服から手を放す。
すると、
「もう大丈夫か?」
先生の声。
もう、明るくなってきたから、怖くなかった。
「大丈夫です」
私が笑顔で答えると、先生も微笑んだ。
宗一さん達のとこにつくと、次のグループが暗闇に入って行く。皆で円になって座っておしゃべりをした。
私は宗一さんと先生の間に体育座りで座った。
15分くらいして、由香理さんたちが戻ってきた後は、皆でどこに移動しようかって話になって、話合いの後、車に乗る事になった。
誰の車に乗ればいいのかなぁ?
「わたしぃ~心さんの車がいい~」
と先生の隣りにいた彩さんが、かなりキャピキャピ声で、言っている。
嫌だった。
そして、彩さんは先生の車の助手席に乗り込む。
「亜紀ちゃんは、オレの車ね」
宗一さんが言ってきたので、私は宗一さんの車へ。
美和さんも一緒だったから、私は迷わず後部座席へ座った。
もちろん美和さんは助手席。
「彩ね、細川さんの事気に入ったみたいだよ」
「まじ!?」
美和さんの言った事に、宗一さんはかなり驚いていた。
あぁ嫌だ……。
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