*◆*蝶々*◆*

2/29
前へ
/35ページ
次へ
「あぁ~寒い……」  隣で歩いていたみきが手を擦りながらいった。2学期最後の日、中学の時にかったお揃いの黒のカーディガンを着て、久しぶりに2人で登校した。 「本当に寒いねぇ~」 「本当にやば~い。手の関節がぁ」  手をグーパーするみき。私は口の前に手をもってきて、ずっとハァハァと息をふきかけていた。 「ってか、もう2学期終わっちゃうねぇ~」  寂しそうに言うみきを見て、本当になんだかあっという間だったと感じる。 「だねぇ~案外早いね」  そう言うと、 「あっ! クリスマスどうする?」  そう聞かれた、けど特に何も考えてなかったから、バイトが休みなのかも分からなかった。 「まだ決まってない。バイトだったかもしれない。みきは?」  みきは嬉しそうな顔で。 「私ね祐介と過ごすんだよぉ~。でもイヴは空いてるよ」  と言ってきた。やっぱりクリスマスは恋人と過ごす人が多いよね。自分には関係ないけど……。 「じゃあイヴ! バイトじゃなかったら一緒にすごそっ」  そう約束をした。そして、時間は過ぎ、式も終わり通知表を返してもらった。  今回は前回よりもよかった。  うちの学校は、早めに冬休みに入る、とても嬉しいけど、休みの間、先生に会えないと思うと寂しかった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加