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無意識に足が止まり、まるで砂浜にすいついているかのようだった。
私のそんな様子を変に思ったのだろう、あずさが私の目線の先をみて足をとめた……。
他のメンバーもみんな足をとめ。
「あれ副担じゃねぇ?」
そう言ったのは祐介。本当に先生だった。
私は何も言わずにみていた。あずさも同じく何も言わない。
「いくぞ」
雄也のその一言にみんな歩き出す。私の手を雄也は無理矢理引っ張った。
そのおかげで私は歩く事ができた。
チラチラと先生たちを見ながら歩いて……。
私は信じられなくて、何度か振り返った。
彩さんは先生の首に腕をまわして、キスをしていた。
今にも壊れそうな心。
あずさもきっと同じなんだろうと頭をよぎる。
先生がこっちをみたような気がした……でもそんな事より、私の心の中はボロボロと崩れていく。
皆の背中をしっかり見つめ歩いた。
頭の中をクルクル回るキスシーン。
キスしてた……彩さんと付き合う事になったんだ……。
あまりのショックに泣きそうだった。
涙をこらえるのに必死で、喉の奥に痛みが走った。
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