*◇*波*◇* #2

11/35
前へ
/35ページ
次へ
「これからどうする? 本当に帰る?」  道のほうに出て、祐介が皆に聞いた。みきは、私とあずさの顔を少しうかがっている。 「俺は疲れたし帰る」  と雄也が言い出し。 「私もなんか疲れちゃった」  とあずさも言っていた。  私は皆の話を聞いていた。今は何もしゃべれなかった……。  頭の中はいっぱいいっぱいで。  雄也はそんな私の背中にそっと手をあてた。  私が雄也の顔をみると、少し微笑んで、私を前に押した。 「じゃあ男どもは一緒にかえるか、たまには男水入らずで」  と雄也がいうと、 「そうだな」  と祐介も遥も頷き、3人はタクシーに乗って帰っていった。  きっと祐介も遥も私の態度がおかしいとなんとなく、感じたんだろう。  そんな3人を私達は手を振り見送った。  私はきっとうまく笑えてない……。  雄也は、私が先生を好きな事しってるから、すぐに帰ろうと提案したんだ……しかも男女わけて、雄也の優しさを私は感じた。  雄也たちの乗ったタクシーが見えなくなると、今まで我慢していた感情が押し寄せてきて、目から涙がポロポロと流れ出た。 「ふぅえ~」  私は声をあげて泣いていた。あずさも我慢していたのか、私につられ泣き出した。  みきは、私たちを少し段差になったとこに座らせてくれて。 「くすんっうっ」私とあずさは子供みたいに泣いた。  声をだして、2人泣いたんだ……。  みきは、そんな私達を見て、涙をこらえていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加