24人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、時間は過ぎていき。バイトもあと10分であがりの時間という頃、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた。
あぁなんか疲れた……あっ! 着物きてる、いいなぁ。
と、コンビニに来るお客さんを見て思ってた。
まだ初詣行ってないし……。
その時、入口の自動ドアが開いて、お客様の来店を知らせる音楽がなった。
「いらっしゃいま……せ」
私は一瞬言葉がとまってしまった。だって、入ってきたのは先生と彩さんだったから。
一緒にいる……やっぱり付き合ってるんだ。
と、すぐに頭が考えてしまった。
「あっあきちゃん」
と、彩さんは私に気付き、私の立っていたレジの前に駆け寄ってきた。
「どうも……」
私は頭を下げる。先生は宗一さんと入口前で話しをしていた。
「ねぇあきちゃん。私ねシンさんと付き合う事になっちゃった」
ズシッと重たい現実が、胸の中を襲った。私は、平静を装い。
「よかったですね」
と答える……。良いわけがない。彩さんの笑顔が、とても嫌で。
「あっでもシンさんから聞くまでは、何も聞かなかった事にして」
彩さんは照れている。
「わかりました」
そんな顔……幸せそうな顔、見たくない。彩さんから視線を外し、レジの画面に目をやった時。
「おぅ木下、正月もバイトだなんて偉いな」
宗一さんとの話しが終わったのか、先生が私に話かけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!