*◇*波*◇* #2

15/35
前へ
/35ページ
次へ
 そして、時間は過ぎていき。バイトもあと10分であがりの時間という頃、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた。  あぁなんか疲れた……あっ! 着物きてる、いいなぁ。  と、コンビニに来るお客さんを見て思ってた。  まだ初詣行ってないし……。  その時、入口の自動ドアが開いて、お客様の来店を知らせる音楽がなった。 「いらっしゃいま……せ」  私は一瞬言葉がとまってしまった。だって、入ってきたのは先生と彩さんだったから。  一緒にいる……やっぱり付き合ってるんだ。  と、すぐに頭が考えてしまった。 「あっあきちゃん」  と、彩さんは私に気付き、私の立っていたレジの前に駆け寄ってきた。 「どうも……」  私は頭を下げる。先生は宗一さんと入口前で話しをしていた。 「ねぇあきちゃん。私ねシンさんと付き合う事になっちゃった」  ズシッと重たい現実が、胸の中を襲った。私は、平静を装い。 「よかったですね」  と答える……。良いわけがない。彩さんの笑顔が、とても嫌で。 「あっでもシンさんから聞くまでは、何も聞かなかった事にして」  彩さんは照れている。 「わかりました」  そんな顔……幸せそうな顔、見たくない。彩さんから視線を外し、レジの画面に目をやった時。 「おぅ木下、正月もバイトだなんて偉いな」  宗一さんとの話しが終わったのか、先生が私に話かけてきた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加