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波の音がやけに大きく聞こえる。周りにいる人たちの声も聞こえていた。
そんな中、
「ねぇ心さん」
私の耳に入ってきた声。
彩さん……?
声のする方を見ると、10人くらいの人たちの中に、彩さんと先生の姿があった。
彩さんは、前みたいに先生にべったりだ。
私は物凄く気になったけど、そのまま雄也の後をついていく。
あっちは私たちの存在に気づいていない。
でもそれで良かったのかもしれない。
雄也と2人でいるとこ見られたら誤解されちゃう。自販機で人数分のジュースを買った。
ホットを買って、手を温める。
「さむいか?」
雄也の第一声はこれだった。
「うん? ちょっとだけ」
そう言うと、
「洋服かりるか?」
と聞いてくる雄也。
「いいよそんなに寒くないから」
断ると、
「なんかあったか?」
と聞かれた。
「なにもないよ、なんで?」
「元気ないし……」
私は、やっぱり分かりやすいのかな?
「元気元気」
と、無理矢理満面の笑みで答えていた。
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