*◆*彼氏彼女*◆* #2

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 先生は、私の手の上にそっと手を重ねる。いきなりの事にまたドキッとした。  しばらく2人は黙って海をながめた。波の音がやけに大きく聞こえて、静けさを強調しているようだ。 「さむいか?」  優しい声。 「少し」  そう答えると、 「車に戻るかぁ」  といってきたので、戻ることにした。先生は何気なく、私の手をとって前を歩く。  車に戻ると、香水の香りが私をつつんだ。  先生は外でタバコを吸っていたので、私は車の中でまった。前にあげた貝殻はまだ車の中に飾ってある。イルカの置物が、可愛いくてつい触っていた。  しばらくしてタバコを吸い終わった先生は戻ってきた、運転席に座ると少し座席を倒し。 「木下、時間大丈夫かぁ?」  と聞いてくる。時計をみると1時を過ぎていた。だけどまだ大丈夫。 「まだ、大丈夫です」  ギリギリまで1秒でも長く一緒にいたいから。 「もう、敬語じゃなくていいぞ」 「えっ? でも、敬語になってしまうんです」  いきなりそんな事を言われても、無理だ。
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