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「まぁ今すぐ変えてっていうのは、無理だよなぁ。徐々にでいいから」
と、いう先生。
「うん」
本当は『はい』って言おうとしたんだけど『うん』っていってみた。自分でも頑張ったと思う、って『うん』っていっただけだけど。
すると、先生はまだ私に要求があるらしく。
「あと……1つ」
といってきた、
「なんですか?」
「2人の時は、先生って呼ぶの禁止なぁ」
へっ?
先生と呼ばなかったら、なんて呼べばいいのか。私が考えていると。
「“シン”って呼んで」
といってきた。なんか恥ずかしい。
『シン』心の中では呼べても、実際に声に出すのは照れ臭い。
「呼んでみて」
恥ずかしいよぉ。
「ほらっ」
恥ずかしかったけど、一生懸命言おうと頑張った。顔から火が出そうだ。
「シ、シ……ン。」
これが精一杯。でも、先生は満足そうに私をみて微笑んだんだ。そして、
「ちょっと、手だして」
自分は完全に先生のペースにはまっていた。手を出すと、
「目閉じて」
と先生は囁く。
なに?
指示通りに目を閉じる。と、冷たいものが手の平の上にのった。
「目、あけて」
ゆっくり目を開いた。
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