*◆*サヨナラ*◆*

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「分かんないよ……先生の考えてる事、分かんないよぉ」 私は手をギュッと握っていた、さっき切った指がズキンズキンといたんだけど、胸の痛みに比べると、ちっぽけだった。 「亜紀。俺達が一緒になる事だけが幸せじゃない。 亜紀は普通の恋愛をして、幸せになって欲しい」 先生との恋は、他の人から見れば普通じゃないかもしれない。 でも、私は普通だと思ってる。そう思いたい。 「俺も普通に恋がしたいんだ……」 ねぇ先生……。 先生も嘘吐くの下手だよね。そんな顔してたら、嘘だって分かるよ。 (嘘だよね?) 「なぁ亜紀……ごめんな。俺はお前の事を幸せには出来ないんだよ」 もう、泣く事しか出来なかった。 だって……。 先生の砂の上に置かれていた手が、強く握られている事に、私は気付いているから。 (私に嘘ついて、私を自分から遠ざけようとしてるんだよね?) 「だから……もう連絡を取るのはやめよう。2人で会うのもやめよう。 別々の道をあるこう」 (本心じゃないよね……?) ねぇ……貴方の気持ちが、私には良く分からないよ。 *
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