*◇*隠し事*◇* #2

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ねぇ……。 私は欲張りなのかな? 周りの人にこんなに守られているのに、それ以上を望んでしまうのは。 先生とずっと一緒に、先生と生徒という関係でも……ずっと一緒に居たいと思うのは、やっぱりわがまま? 「海いくか?」 黙っている私に先生は、そう聞いてきた。 先生と久し振りの海……。 私はコクリと頷いた。 なんだか、頭の中はいきなり聞かされた色々な事で混乱している。 車は走り出して、静かな時間が車の中に流れていた。 先生はどうして、そうやって普通でいられるのか。 ねぇ先生がどんなに我慢していたか……私気付かなかったよ。 ――海 2人で前みたいに、砂浜を歩いた。 月の明かりが私達を照らす。 手を繋ぎたかった。 前を歩く先生の手を、掴みたかった。 「懐かしいな……」 としばらく歩いて先生は、砂浜に腰を降ろした。 私はその隣りに座る。 波の音がやけに大きく聞こえた。 「寝て星見るか?」 「うん」 先生は先に寝そべった。そして、 「ほら、腕枕してやる」 と言った。 「いいの?」 と思わず聞いていた私に、先生は。 「今日だけ……甘えていいから」 と言った。
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