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るいは、なんだか悲しそうな顔で私を見た。
「そんな顔しないでよ」
と私が微笑み言うと、何故かるいは泣き出した。
そして、
「亜紀……頑張ったね、頑張った」
と私を抱き締めて、泣いてくれた。
温かいるい……。
「亜紀……苦しかったよね……辛かったよね」
そう言いながら、また強く抱き締めるるいに、何故か私は安心していた。
(私は……なんて幸せなんだろう)
って……。
1人じゃないんだって……。
自分の為に泣いてくれる、心温かい友達。
私を勇気付けたり、元気をくれる友達。
先生がいなくったって……全然平気のはずなのに……。
貴方がいないと、私はおかしくなって。
「るい…………」
今まで出ないと思っていた涙が……ポタポタと次から次へと流れてきた。
私の胸にポッカリと開いた穴に、心の中全部に、先生がいない……もう会えないという思いが一気に押し寄せてきた。
今まで我慢してたのか、受け入れたくなかったのか……。
涙がそれは真実だと、私に示す。
「いっぱい泣きな」
とそんな私の背中を、るいは撫でてくれた。
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