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「おかえり」
玄関には、相沢先生が待っていた。
相沢先生を見た途端、私の瞳からは涙か溢れて、その場に座り込んで泣いた。
悲しくて悲しくて……。
「木下!? 大丈夫か!?」
泣きやむまで、相沢先生は黙って私を抱き締めながら頭を撫でてくれていた。
私と先生は本当に、終わってしまった。
――――
数時間前。
“待っててくれるか?”と聞かれて、「うん」と言おうとしても、離れ離れになるのが悲しくて、涙をこらえるので精一杯で返事が出来なかった私。
先生に腕枕をしてもらった私は、悲しくて苦しくて、泣く事しか出来なかった。
「亜紀……」
泣き続ける私は、涙を止めようと、体を起こして膝を抱えて泣いた。
(せん……せぇ……)
すると先生もゆっくり体を起こし、泣き続ける私に、言ったよね。
「俺のせいで亜紀がこんなに苦しむなんて。
亜紀、俺の事待たなくていいんだぞ」
と、どうしていきなりこんな事を言い出すのか。
さっきは゛待っててくれるか?゛って聞いていたのに。
私の胸になんだか不安が溢れた。
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