*◆*サヨナラ*◆*

4/12
前へ
/35ページ
次へ
「亜紀、俺達……本当にこれでいいのかな? 亜紀、俺に縛られなくていいんだぞ。こんなに苦しい思いしなくていいんだぞ」 先生の言葉ひとつひとつが苦しかった。 「亜紀、ごめん……。さっきは待っててくれるかっていったけど、 俺……。 迎えに行けそうにもない……ごめん」 先生の言葉で、今まで流れていた涙が一瞬止まった。 「なんで……そんな事……いうの?」 いきなりの事で、私は先生の考えている事が分らなかった。 「俺達は、本当にこんな関係で幸せか?」 先生の顔を見ると、先生は私を優しい顔して見つめていた。 止まっていた涙も、また流れ出す。 「しあわ」 “幸せだよ” そう言おうとしたけど、言葉をさえぎられた。 「幸せじゃないだろ」 と……。 そんな事いわれるなんて、思ってなかったよ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加