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「泣いたんだ」
と言ってくる優先生に、私は首を横に振って強がった。
だけど、
「嘘吐くの下手だよね」
とまたニッコリ微笑むから、またすぐに先生の事を思い出してしまう。
(似過ぎだよ……)
と、悲しくなってしまう。
そんな私を見てか、優先生は。
「ごめんね……俺似過ぎだよね」
と私の頭を撫でた。そんな優先生に、私は。
「優先生は、悪くないよ。先生に全然似てないし」
と笑顔をみせて、車から降りた。
そして運転席に周り窓を閉めてエンジンを切った。
「木下さん。次俺の授業だって知ってた?」
と言う優先生と教室に向かいながら、話していた。
「知らなかったです」
すると、
「木下さんさぁ……」
と何かを言いたそうな優先生。
「なんですか?」
と聞くと優先生は、
「やっぱり何でもない」
といい、私の少し前を歩いた。
「なんですか? 気になりますよ」
と聞いたけど、
「別にたいした事じゃないから」
とかわされた。
(まぁいいか)
と思い私は右手にある車のキーを、
「あの、優先生。
これ相沢先生に渡してくれませんか?」
と差し出した。
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