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「いいよ」
と鍵を受け取った優先生は、ポケットにすぐに閉まった。
「おねがいします」
と言うと、
「任せて」
と笑顔で言い、優先生は職員室に戻るからと、スタスタと歩いて行ってしまった。
この時、ちょうど休み時間だった。
教室に入ると、仲良しメンバーが駆け寄ってくる。
「亜紀! 心配したよぉ~」
とまず言ってきたのはみきだった。
そして、次々に心配させるな、とか電話を取りなさいなど言われた。
「ごめんね」
とみんなに謝ると、私の今の状況を分かっている皆は、
「わかったなら許す」
と言ってくれて。
今度からは1人で何処もいかない事、悩みを抱え込まない事を、無理矢理約束させられた。
そんな時、授業開始のチャイムが鳴った。
すぐに席に着く。
そして、思いだした事。
(あっ……教科書わすれた)
そう私は、学校にくるつもりなんかなかったため、カバンの中は財布だけだった。
(どうしよう……)
と思っていると、
「どうしたの?」
とるいが、話しかけてきた。
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