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「ごめんな……俺があの時想いを伝えてなきゃ、亜紀は苦しい思いなんてしなくてすんだのに。
俺は、亜紀が卒業するまで待つべきだったって、後悔してる。
そうすれば、こんなに傷つく事もなかった」
傷つく事は、本当になかったんだろうか……。
あの時、もし結ばれなかったとしたら……私達はこうやって好きあったり、一緒にいる事なんてなかったかもしれない。
あの時があるからこそ、今の私達がいて、私はそのおかげで色々なものを得た。
友達が私を思うおもいをしった。
一緒に泣いてくれたり、自分の事のように考えてくれたり。私は1人じゃないんだって改めて知ったんだ。
それから、あの時がなかったらきっと、守ろうといつも側で慰めたり、冗談を言って抱き締めてくれる。
尊敬できる、大切な相沢先生とはなんの接点もなく。
相沢先生を大切だと思う事はなかった。
それから、なにより家族の愛。
母さんの優しさに触れて、悠木の温もり、私を真直ぐに見つめてくれて、守っていきたいっていう気持ちを、私はしることなんて出来なかったと思う。
こんなにも、家族の愛を感じる事は出来なかったと思う。
それから父さんが私を大切に思っているという気持ち。
今まで仕事ですれ違いが多かった父さんの、温かい気持ちを、私は知る事ができなかったかもしれない。
でもね……1番はね……。
やっぱり、
貴方に想われる喜びや、貴方を想う喜びだった。
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