16人が本棚に入れています
本棚に追加
傷ついて得た物が私には多くて……。
これで良かったんだって、私は思ってる。
もしあの時、フラれていたら……。それはもっと辛かったかもしれない。
「先生……私は後悔してないよ」
先生とこういう関係になった事、後悔してない。
「私、辛くて苦しい時もあったけど……それ以上に、嬉しい事や楽しい事もあったから、私は沢山の人に守られてるのも知った。
それから……私は苦しくても傷ついても、先生といれる事が私にとって幸せなんだって気付く事ができた」
私は、先生といれる事が幸せで、先生の事を考えると、幸せで……。
「私は先生がいなくちゃダメなの」
そう呟いた。
そんな私に先生は、
「亜紀、ありがとう」
と、言った。
そして、
「俺は亜紀に救われてばかりだな……」
そう呟いた、
「なぁ亜紀、卒業したら……いっぱいデートしような」
先生の言葉の一つ一つが、私の宝物になっていく。
「手繋いで堂々と歩こうな」
今は出来ない事を、これから先していきたい。
「約束……亜紀、俺を幸せにしてくれよ」
と先生は言った。
「えっ先生逆でしょ?あはは」
と笑うと、
「俺が幸せなら、きっと亜紀も幸せだろ?」
そう言った。
先生の言葉は、私達がお互いを想いあっているという言葉だった。
「仕方ないなぁ、私が先生を幸せにしてあげる」
絡まる小指……。
「約束な」
「うん、約束」
手を上下に少し振り、
「「指きった」」
私達は約束をした。
最初のコメントを投稿しよう!