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「そろそろ行かなきゃな」
と言う先生。
私は、まだ帰って欲しくなくて。
「先生、もう少し……」
そう言った。
でも、先生は私の事を放すと、
「がまんな!」
と頭を撫でた。
ねぇ……もう沢山我慢しているよ……。
でも、私は
「わかった」
と頷く事しか出来なかった、だって先生に迷惑かけたくないし……。
先生は立ち上がり、扉の方へ歩いていく。
「寂しいよ……」
と呟くと、
「ごめんな、これからは毎日メールと電話しような」
と言ってくれた。
「いいの?」
そう聞くと、
「あぁ」
とニッコリ微笑んだ。
そして私達は1階に降りた、キッチンには母さんの姿だけがあり。
「すみません。長居してしまって」
と先生は、母さんに頭を下げていた。
「父さんは?」
と私が母さんに言うと、
「ちょっと、散歩に行ってくるって、でていったわ」
と母さんは玄関の方を指さしていた。そして、先生ともサヨナラの時……。
「お邪魔しました」
という先生に、母さんは。
「また来なさいね」
と微笑んでいた。
「先生バイバイ」
本当はサヨナラなんてしたくないけど、私は手を振った。
「またな、亜紀」
そう言うと、先生は扉を開けていなくなった。
先生が居なくなると一気に寂しくなって……。
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