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「なんだそうなのかよ」
と、祐介は言うと。
「良かったな」
とニッコリ笑い。
「亜紀が照れてるのって……キモい」
と一言。
「ひどい! そんな事言わないでよ! 馬鹿祐介」
と、私達はそれから言い合いをしていた。
先生と前みたいにメールや電話を出来る様になって、私は本当に嬉しくて浮かれていたんだ。
次第に賑やかになっていく教室、そして仲良しメンバーが次々と登校してきた。その度に先生の事を説明していた私。
雄也はちょっと微妙な表情をしていたけど、最後には。
「良かったな、俺のおかげか?」
なんて言ってきたから、なんだか複雑な気持ちになったけど。
「そうだよ、雄也のおかげ」
と私はとびきりの笑顔を見せた。
あずさにみき……るい……祐介に雄也。
皆の笑顔に囲まれて、私は幸せだった。
暖かい風が教室の中を通っていく、教室に入ってくる太陽の光は……木の影で揺れていた。
「ってか、受験生なのに俺ろくに勉強してねぇ~」
と言う祐介に、これからの時間は皆で受験勉強だ、なんて言っていた。
このメンバーで過ごす時間も、残りわずか……。
そんな事を考えたら、なんだか寂しくなってくる。
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