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「ったく、出発直前にトイレにいくなよ」
と半分あきれて運転席に座る相沢先生を、私は後部座席からみていた。
「ごめんなさい」
2人なのに、学校専用の8人乗りのバスだから広かった。
車は、走り出す……。
私はなんだかドキドキワクワクしていて、落ち着きがない……。
もう、楽しみなのと緊張でソワソワ。そんな私を見て相沢先生は笑っていた。
そして、しばらく走って目的の場所に到着した。
相沢先生が駐車場に車をとめたとき。
なんだか緊張が増して。
「なんか緊張する~」
と私は1人叫んでいた。
「よし! いくか」
と相沢先生の声に車を降りて、相沢先生の後に続いて歩いた。
大きなビルのその専門学校。
(何階建てだろう)
と緊張を抑えるために、歩きながら窓の数を上から数えた。
(1、2、3……10かぁ)
これから始まる学校見学……そこでは、楽しい事ばかりだと思っていたけど、それは全然違っていて。
相沢先生が前にふと見せた、あの悲しそうな顔……。
あの顔をまた見る事になり、その答えが、わかる事になる。
ねぇ……本当に気がつかなくてごめんなさい。
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