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波の音だけが響いていて……私達はしばらく歩いて砂浜に腰をおろした。
「このまま、ずっと時間が止まればいいのにな……」
という相沢先生の言葉に、少しドキッとした。
「はぁあぁあっ」
そう言って寝そべった相沢先生は、
「亜紀も寝る?」
と聞いてくる。
「私は座っときます」
そう言うと、相沢先生は゛ふぅ~ん゛とうなずいて黙っていた。
(今、何時だろう……)
携帯をポケットから出し見て見ると、8時と表示していた。
(8時か……先生から電話くるかな)
なんて、考えていると。
「もう帰りたい?」
と相沢先生に聞かれて、
「何時かなって思って、あんまり遅く帰ったら、母さんが心配しそうだから」
と、あえて先生の事は言わなかった。
「メールおくっといたら?」
と言ってきたから、私は少し遅くなるとメールを送っておいた。
でも、そろそろ帰らなきゃ……。
(なんて言い出そう……)
そして、静かな時間が流れ少しした後、相沢先生が上体を起こし、いきなり私を見つめてきた。
薄暗い海……相沢先生の顔が見える。
そして、
「なぁ……俺、お前が好きすぎて死にそう……」
そう言った。
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