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私は、どうしたらいいんだらう……。
「帰ろう……」
そう言うと、相沢先生は私からパッと離れて、歩き出した。
私は少しの間、その場から動けなかったけど、相沢先生の後を追った。
エレベーター前で待っていた相沢先生と、会話なんて出来なくて……沈黙がつづく。
私は涙を何度も拭い、誰にも泣いている事がバレないようにと、下を向いていた。
幸い、もう人は少なく私が泣いているのに気付いたのは、数名だろう。
エレベーターにのり、手で顔を隠したりしながら。駐車場まで歩いた。
黙って車に乗る相沢先生に続いて、私も車に乗る。
なんだか嫌な空気が流れていて、また涙があふれだした。
「はぁ……」
とため息をつく相沢先生は、何も言わずに学校に向かって車を走らせていた。
もう、学校は終わってて皆帰っているだろう時間。
すると、相沢先生は、
「着いたらカバンとってこいな、家まで送るから」
と、言った。
そんな相沢先生に私は何も返せなかった。
こんな空気は嫌で、今すぐ逃げ出したかった。
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