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『じゃあ、お前も俺の気持ちに答えてくれよ』
相沢先生が言ったあの言葉は……私の頭の中で何度も繰り返されていた。
私は、相沢先生の気持ちに答える事は出来ない……。
だって私は先生の事で頭がいっぱいだから……。
どれくらい経ったのか、涙は止まり、空が紅く色付いてきた。
(そろそろ帰ろうかな……)
そう思っていた時、屋上に誰か来たみたいで、扉の開く音が聞こえた。
(誰だろ)
と、その人が居なくなるのを待とうと思っていたら。
「ふぁ~」
と欠伸をしながら、誰かが屋根に登ってきた。
ビックリしてその人を見ると、優先生で。
「なんだ、先客か」
と私を見るなりニコりと笑った。そして、欠伸をしながら、私の隣りに仰向けにねっころがった。
「息抜きですか?」
と私が聞くと。
「ちょっと、眠くてね」
と答える優先生。
なんだか、こうやって隣りにいる優先生を見ると……先生みたいだなぁ~って思ってしまう。
目を閉じている優先生の目に、まつげ、鼻に口……先生に似てるとこばかり……。
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